遥かな水平線にもやっていた 淡い霧が いつのまにか左舷に立つ私の そばまで来ていた この船はすっぽりと霧に包まれ 不思議の世界を漂いはじめる
見下ろせば波の色も 透きとおる冷たいブルーへと変わっていた それは氷の底に眠る色 南の極みの海が織り成す色 凍りついた何万年の記憶が 私に忍びより 心を揺すりはじめる
許 素香 詩・写真