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一期一会

星のや 軽井沢星のや 軽井沢

一 二 三 五

四. 暗さの中の日本らしさ

渡辺 僕がもう一つ驚いたのは、森の中なのに明かりを絞った感覚。部屋に行く道にわずかな行燈のような明かりがあるだけで、懐中電灯がないと危ない。でも部屋に入ると洋間風で。そういうコンセプトはあなたが? 百会楽話 渡辺淳一 × 星野佳路 茶屋

百会楽話 渡辺淳一 × 星野佳路 ライブラリーラウンジ
星野 これは担当してくれた建築家の東利恵さんと、ランドスケープアーキテクトの長谷川浩己さん、この2人が重要な役割を果たしてくれたんです。今、東京にいらっしゃる方々の生活には、24時間のコンビニがある、家は洋風に変わってきている、冷暖房などで生活・ライフスタイルが変わってきた。温泉旅館も、さっきちょっとお話いただいたように不便だと思う部分はなくしていかなきゃいけない。部屋がちょっと洋風に見えているところは、そういったところだと思っているんですね。
渡辺 たしかに生活は変わった。いつでもなんでも買えるようになったし、和室がない家も多くなっている。
星野 ただ、逆に旅館は非日常でなければいけないので、私たちのこだわりをきちんと提供しないといけません。そこで、暗さというものが大きなテーマになりました。東京は明るくなりすぎています。暗さの中に日本らしさがあるし、暗いとそれだけで昔を懐かしく思える。暗いことに関しては最初はものすごくご指摘をいただいたんですけれども、ここは私たちがとくにこだわった部分です。谷に囲まれていますから、街の光が入らない場所ですので、そこが私たちの敷地の特徴だと思っています。
渡辺今の都会は、夜中でもこうこうと明るいから、その逆を行こうと。
星野 そうです。『陰翳礼讃』という本もありますよね。光と影、暗さっていうのが、日本的なものです。だから、和とは何かという時に、形が和だとか、デザインが和だとかということ以外に、暗さと明るさの陰影が実はとても和を感じる部分だと考えています。
渡辺 そのランドスケープと建築、この2人の間がぴったり合わないと難しいね。 百会楽話 渡辺淳一 × 星野佳路 ツーショット

百会楽話 渡辺淳一 × 星野佳路 ライブラリーラウンジ
星野 長谷川さん、東さん、そして私の3人は、10年間すごくけんかしました。もう議論を超えていたというか。仕事がなくなっちゃうんじゃないかというぐらい、勝手なことをお互いにいい合いながら、少しずつ新しいものを見つけて来たんです。
渡辺 ところで、「星のや 軽井沢」で持っている総敷地面積はどのくらいなんですか。
星野 「星のや 軽井沢」の敷地全体で約7ヘクタールです。星野リゾート全体の敷地は、28万坪(約90ヘクタール)あります。
渡辺それは先代が持っていた土地ですか?
星野

そうです。先代というか初代です。1904年開業ですが、ここは電気もなく水もなく、道路もなかったそうです。もともとは材木屋でした。ここで材木を切り出して、それを運び出すのが仕事でした。それが別荘地に変わっていきまして、また温泉旅館に変わっていった。当時、材木を切り出すための電気がなくて、水力発電を行っているんです。

渡辺 温泉旅館で、膨大な土地はそのまま眠っていたわけだ。
星野 この場所で星野温泉ホテルをやっていまして、今でも敷地に余裕はありますが、もともと建っているところを壊して、建て直しました。実際に2003年にクローズして、2年間かけて工事をしています。
渡辺 完成が? 百会楽話 渡辺淳一 × 星野佳路 お豆腐
星野 2005年。2003年の夏が終わってすぐ着工しました。ちょうど4年前ですね。
渡辺 よく「星のや 軽井沢」って聞くようになったのは、ほんのここ1、2年だよね。女の子たちのあいだでは、軽井沢で泊まりたい憧れの旅館だって。
星野 ありがとうございます。
渡辺 部屋はどのくらいあるんですか。
星野 77室あります。
渡辺 ビルじゃないからね。
星野 そうですね。広がっていますから。テーマは「谷の集落での滞在」です。その谷の集落の非日常感、それは景色としての非日常感と、それから文化としての非日常感です。日々スタッフが考えながら進めています。池に日が暮れると灯る水行燈もスタッフが考え出しました。非常に評判がいいサービスですね。池を幻想的にライティングできます。
渡辺 池というか、水が巧みに配置されている。 百会楽話 渡辺淳一 × 星野佳路 土瓶蒸し


星野佳路(ほしの よしはる)
1991年(株)星野リゾート社長に就任。リゾートの再建に取り組む一方、2005年本拠地に星のや軽井沢を開業。同じく2005年からは温泉旅館再生事業にも力を注いでいる。



渡辺淳一 (わたなべ じゅんいち)
北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年『光と影』で直木賞を受賞。1980年に吉川英治文学賞、2003年には菊池寛賞などを受賞。北海道・札幌に渡辺淳一文学館がある。作品には「阿寒に果つ」「無影燈」「白夜」「ひとひらの雪」「失楽園」など多数。現在文壇の第一線で活躍している。

オフィシャルブログ | 渡辺淳一文学館

星野 ありがとうございます。
渡辺 小さい子どもがあまりいないのもいいね。
星野 小さなお子さんはキッズルームを作っていまして、そこでお預かりしています。人気で、キッズルームが満杯状態です。大人と一緒に食事を取ると大騒ぎになってしまいますので、サッとキッズルームにご案内してしまうのがポイントです。
渡辺 新装後の人気はすごいんでしょう。
星野 やはり建物だとか庭とかハードに注目していただくことが多いんですが、実際に泊まっていらっしゃる方の中には、リピーターも非常に多くて、70泊という方もいらっしゃいました。夏、2ヵ月まるまるご滞在でした。お話をうかがうと、旧軽銀座で食べたい時には食べに行けるとか、食の選択の自由が評判のいい理由でした。
渡辺 別荘の代わりという感じで使うんだろうね。しかも別荘だと自分で掃除したり、ガスを開けたり、皿洗ったりしなきゃいけないけど、別荘感覚で、そういう日常のつまらないことはしなくてすむ、これがいいのかもしれないね。
星野 そうですね。70泊されている方は何名かいらっしゃるんですが、その方々は別荘より安いっていう感覚ですね。
渡辺 たしかに、別荘は建てるときに結構なお金がかかるけど、実際にはほとんど使っていない。でも、年間、税金から管理費からいろいろかかってくるからね。
星野 ですから、6,000万、7,000万出して別荘を買うよりも、年何回使うかわからないので、毎年旅館やホテルを予約したほうが安いとおっしゃる。面白い価値観なんですが。

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「星野リゾート」が運営している施設は、一休.comからご予約いただけます。
星のや 軽井沢 (長野・軽井沢)
湯の宿 いづみ荘 (静岡・伊東)
アンジン (伊豆・伊東)
白銀屋 (石川・山代温泉)
奥入瀬渓流ホテル (青森・奥入瀬渓流温泉)
貴祥庵 (長野・浅間温泉)
仁科の宿 松延 (長野・信州大町温泉)
磐梯山温泉ホテル (福島・磐梯)
華仙亭 有楽 (島根・玉造温泉)

「星のや 軽井沢」は一休.comショッピングでオリジナル商品を販売しております。
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Photographs by Toshio Yasui




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