







笹川孝仁(ささがわ たかひと)
1977年ホテルイタリア軒(新潟市)でホテルマンとしてスタート。フェヤーモント・ホテル(九段)ホテルエドモント(飯田橋)、横浜グランド・インター・コンチネンタルなどを歴任。ホテルのオープニングも多く手掛ける。
1977年ホテルイタリア軒(新潟市)でホテルマンとしてスタート。フェヤーモント・ホテル(九段)ホテルエドモント(飯田橋)、横浜グランド・インター・コンチネンタルなどを歴任。ホテルのオープニングも多く手掛ける。
| 笹川 | 熊本空港から向かいますと、南に見える九重連山に「界ASO」はあります。 |
| 渡辺 | 阿蘇の北側にあるわけだね。 |
| 笹川 | そうですね。ですから、本館のダイニングから、阿蘇の方角が真正面に奇麗に見えます。 |
| 渡辺 | いや、なかなか、聞きしに勝る素敵なところですね。 |
| 笹川 | 今日、夕方、五岳が奇麗に見えたんです。ずっと雨が降っていて曇っていましたが、晴れましたので奇麗に見えました。 |
| 渡辺 | 阿蘇を形づくる五つの山ですね。ここに創ったのはいつですか。 |
| 笹川 | オープンは2006年の6月です。 |
| 渡辺 | まだ2年前なんだ。すてきな本館とその他に、離れが12棟あるでしょ。この状態になったのは。 |
| 笹川 | 最初からです。 |
| 渡辺 | 総面積が8,000坪とか。 |
| 笹川 | そうなんです。 |
| 渡辺 | 阿蘇のこんなところに8,000坪の土地を買ってホテルを開くとは、誰のアイディアですか。 |
| 笹川 | ここは国立公園の第2種特別地域に指定されていて、本来新たな開発が出来ない場所なんです。 |
| 渡辺 | ほう、それがまたどうして… |
| 笹川 | 数十年前に一旦開発された施設が潰れて荒地になっていたのを、地元の建設会社が購入して環境省に再開発の許可を取ったのです。 |
| 渡辺 | なるほどね。 |
| 笹川 | その建設会社から、この8000坪の部分で宿泊施設をやってくれないかと依頼がありました。 |
| 渡辺 | そしてこういうようにしようと。 |
| 笹川 | はい。開発の方から話があった時に、ここでやれるかどうか判断しなければならなかったわけですが、この眺望と大自然があるところならば、いけるんじゃないかと。それから話が進んでいったんです。 |
| 渡辺 | 「界ASO」は、他にこういう宿泊施設を持っているんですか。 |
| 笹川 | 「界」というブランドでは、ここが初めてなんです。 |
| 渡辺 | 本来の親会社はどういうところですか。 |
| 笹川 | 異業種からの参入でして。親会社はヒューマンという会社ですが、熊本で半導体や精密機械の製造とアウトソーシングをやっている会社です。アウトソーシングの中で、旅館に人材を派遣してくれないかという話も結構ありまして…、それであれば、別会社を作って運営受託や人材派遣、あるいは教育ビジネスをやろうかということになったのです。しかし、本隊がないのにそういうことを言っていても説得力がない。ですから、我々は「界ASO」という成功例がありますというのを元にビジネスを発展させていこうというねらいもあるんです。 |
| 渡辺 | 建物も周りの雰囲気もなかなか斬新にできてるけど、建築、内装、いろいろな衣裳も全部、専門家の意見を入れているんだね。 |
| 笹川 | そうですね。各分野分野で。ただやはり、その分野分野の専門家に全部お任せしていると、バラバラになりがちです。テイストを統一するためのディレクションも、重要な役割です。調整しながら進めてきました。 |
| 渡辺 | 全体を統一してまとめた人もアウトソーシングの人ですか? |
| 笹川 | はい。中村悌二さんという方です。その方自身もクリエイターですが、調整していただきながら。こういうふうにしてもらえないかといろいろ注文も出しました。 |
| 渡辺 | その結果、あなたがここの支配人を任せられたわけですね。 |
| 笹川 | そうです。 |
| 渡辺 | 今までこういうことは? |
| 笹川 | ホテルの立ち上げや、マネジメントは十分な経験がありますが、旅館は始めてです。私は1977年からホテル業界にずっとおりまして。 |
| 渡辺 | じゃあここに引き抜かれたというか。 |
| 笹川 | そうですね。 |
| 渡辺 | こういうのは何ていうのかな。「二期倶楽部」とか、それから「星のや 軽井沢」にやや似ているけど。 |
| 笹川 | そちらは規模がだいぶ大きいですが。 |
| 渡辺 | オーベルジュっぽい感じでもあるから、食事をかなり重要視しているんですね。 |
| 笹川 | はい。非常に重要な要素です。 |
| 渡辺 | ここは、建物や部屋や食べ物と同時にやっぱり風景が圧倒的に大きくて。 |
| 笹川 | 阿蘇のこの雄大な眺め。ただ、だだっ広いのではなく、草原がうねりながら広がっている。こんな眺望は日本でも阿蘇だけだと思います。 |
| 渡辺 | ここ、僕はほとんど知らなかったんだけど、女性誌などでは知る人ぞ知る宿で。 |
| 笹川 | 雑誌媒体が結構取り上げてくれています。『家庭画報』『セブンシーズ』『東京カレンダー』とか雑誌の影響は大きいですね。 |
| 渡辺 | まず女性たちの目に入って、そして男性がついてくるからね。 |







