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一期一会

富士屋ホテル富士屋ホテル

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四. 残すという大事業

百会楽話 富士屋ホテル 外観

百会楽話 富士屋ホテル 桜の間

百会楽話 富士屋ホテル 客室一例

百会楽話 富士屋ホテル 料理

百会楽話 富士屋ホテル 料理

勝俣伸(かつまた しん)
1953年、神奈川県箱根生まれ。立教大学社会学部観光学科を卒業し、1976年、富士屋ホテル株式会社に入社。湯本富士屋ホテル支配人・富士屋ホテル支配人・総支配人を経て、2004年6月に富士屋ホテル椛纒\取締役社長に就任し、現在に至る。


渡辺淳一(わたなべ じゅんいち)
北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年『光と影』で直木賞を受賞。1980年に吉川英治文学賞、2003年には菊池寛賞などを受賞。北海道・札幌に渡辺淳一文学館がある。作品には「阿寒に果つ」「無影燈」「白夜」「ひとひらの雪」「失楽園」など多数。現在文壇の第一線で活躍している。

オフィシャルブログ | 渡辺淳一文学館
渡辺 勝俣さんが、「富士屋ホテル」の好きなところはどこですか?
勝俣 空気ですかね。いいですね。大学を卒業して、箱根に戻る時にどうしようかなと思ったんですけど、「富士屋ホテル」を選択してよかったと思います。というのは、働きながらにして、この箱根でホテルマンでなければお会いできないような方に会えます。今日、渡辺先生にお目にかかれたのもそうですが、そういうチャンスには恵まれました。我々ホテルマンは、お客様の仕草とか、ご様子を拝見しながら、自分を高めていく、そういうものが大事だと思います。
ですから、ウェイターをやっていた時に、ちょうどジョン・レノンさんが、オノ・ヨーコさんと『イマジン』を作るために滞在なさっていたのですが、直接サービスをいたしました。信じられないことでしたね。まだ息子さんのショーンがこんなに小さい時でしたが。
渡辺 どの部屋に泊まったのですか。
勝俣 今日、先生がお泊りの花御殿の「桜の間」と、「菊の間」にも宿泊なさっています。
都内のホテルとは違うんですね。都内だとやはり格式があり、洗練されたサービスが必要ですが、リゾートですといらっしゃる方がリラックスをしにきていますから、こっちが堅くなっても駄目なんです。そういったあうんの呼吸が非常に面白いです。
渡辺 やっぱり混むのは週末の土日とかゴールデンウィーク、夏休みですか?
勝俣 そうですね。
渡辺 平日でも、高齢者は結構くるんじゃないですか。
勝俣 はい。平日にいらっしゃいます。近年は11月が一番忙しくなります。
渡辺 紅葉ですか?
勝俣 そうです。8月よりも11月のほうが忙しいです。ところで、渡辺先生は、ゴルフはされないんですか。
渡辺 するんだけど、最近下手になって(笑)。飛距離が落ちちゃって。
勝俣 ぜひ今度ご一緒にラウンドしましょう。
渡辺 コースは、この上に。
勝俣 仙石原の乙女道路沿いにございます。これから芝の緑が奇麗でございます。
渡辺 「山のホテル」も古いんじゃないですか。
勝俣 古いですね。敷地は、昔の三菱の岩崎さんのご別邸です。
渡辺 なにか箱根は、避暑地という感じはあまりしませんね。
勝俣 そうですね。
渡辺 それよりも温泉っていう感じのほうが強い。一口に箱根といっても、高さでずいぶん違うでしょう。
勝俣 ものすごく違います。
渡辺 ところで、このお皿は?
勝俣 これは大倉陶園で、富士屋の明治初期のオリジナルデザインです。こういう洋食器の文化って、全部船からきているんですね。ですから、横浜の商船三井の博物館に行きますと、こういう食器の原形が展示されています。これは燕三条で作られたものです。
渡辺 新潟の手前のね。このホテルは、こういう独特の和風の雰囲気を生かし、それを守っていくところがチャーミングで。新しい企画などあるんですか。
勝俣 富士屋ブランドを使って、いろんなお話がございますが……。これからの日本を考えると、少子高齢化で、人口を含めてあらゆるシステムがダウンサイジングしていくわけです。今、私が経営を任されている中で、宮ノ下の「富士屋ホテル」をどう維持・保存していくか、大きな使命でございます。ここの基盤を確立して、それからさらなるステップをと思っています。基盤の確立だけで、ホテルが新しくできるぐらいの莫大な投資が必要ですから。明治っていう時代は先生、すごい時代だったんですね。開国をするっていうので。
渡辺 エネルギッシュで、過去のあらゆるものをまずぶち壊したからね。そうしないと新しいものが生まれなかったから。このホテルも古さを守りながら、新しいものにもチャレンジして欲しいですね。



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Photographs by 和田直樹

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第16回 比嘉建己(ジ・アッタテラス支配人) …ヨーロッパのシックなリゾートが沖縄に
第15回 清水かほる(ベネッセハウス副総支配人) …「よく生きる」ことを考える場所
第14回 勝俣伸(富士屋ホテル社長) …かごで上ったアジアンテイストのホテル
第13回 岩村尚子(岩惣 先代女将)・岩村玉希(岩惣 女将) …光雅と静寂の神の島
第12回 中村律子(旅館くらしき女将) …美しき蔵の町の蔵の宿
第11回 向井聖子(三養荘女将) …財閥の別邸
第10回 北山ひとみ(二期リゾート 代表取締役) …十八世紀フランスのサロンを目指す
第09回 西村明美(柊家女将) …京都は京都らしく
第08回 マルコム・トンプソン(ザ・ペニンシュラ東京 総支配人) …日本に学んだおもてなしの心
第07回 星野佳路(「星野リゾート」社長) …世界のリゾートを向こうに
第06回 齋藤朝子(海石榴大女将) …万葉の湯
第05回 石川修(ホテル ニドム社長) …ニドム カムイに授かりし森
第04回 岡副徳子(金田中若女将) …新橋の花柳界を守る金田中
第03回 浅羽愛子(伊豆・あさば女将) …「あさば」はあくまで「あさば」である
第02回 井上旭(シェ イノ シェフ)  …45年間、支持され続けた料理
第01回 古谷青游(熱海・伊豆山・蓬莱女将) …日本で一番早く春が来るところ


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