| 渡辺 |
女将さんは、朝ご飯は家で食べるんですか。 |












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| 中村 |
はい、自宅で。 |
| 渡辺 | ここに出られてお客様を見送るでしょ。そして、今日のいろいろな予定と、今夜はどういうお客様がくると、番頭さんと打ち合わせをして。 |
| 中村 |
必要に応じてミーティングを料理長やフロント、各担当者とします。これも、サラリーマン的感覚なんです。問題があった時に相談にくるようにと、だいたいは各自に任せています。気になるお部屋は見ますが。最初に今日1日の席を、昼の座敷、夜の座敷、お泊まりを確認するんです。細かい打ち合わせや手配は、極力担当者ごとに発想してやってもらって。お客様にお礼状を書いたり、お姉さん方のシフトを組んだり、親会社への報告書類を書いたりします。 |
| 渡辺 |
何かことが起きれば責任者だから大変だよね。夕食をお客さんが食べて、宴会が終わったら、やっと安心して。 |
| 中村 |
安心して髪を下ろして、通勤の格好に戻り、自転車で家に戻り、遅い夕食をとるというのが1日です。 |
| 渡辺 |
自転車で帰るんだ。でも、外に出るとあなたを知っている人は多いでしょう。 |
| 中村 |
ではそうですね。指名手配犯みたいに顔がわかってしまっています。(笑) |
| 渡辺 |
狭いからね。でも仕方ないな。 |
| 中村 |
アナゴを焼かせていただきます。アナゴは広島のほうが有名ですが、このあたりもいいのが揚がります。
外国のお客様にも同じものをお出しするのですが、炭火焼きは喜ばれます。アナゴを食べたことがないと、ヨーロッパの方は特におっしゃるのですが、召し上がると、これなら食べられるリストに入れようとおっしゃいます。フランス料理でも伝統的なアナゴ料理はあるそうなんですが、そのお料理自体、4年に1回しか食べないとおっしゃっていました。桜の季節と紅葉の季節は、半分ぐらいが外国からのお客様になりますね。 |
| 渡辺 |
ヨーロッパの方が多いのですか。 |
| 中村 |
アメリカが多いです。個人旅行の有名な雑誌に載せてくださったのが理由だと思います。日本の方は1泊しかなさらないのですが、外国のお客様はここを拠点にして、宮島と姫路城、山陰・四国まで2泊、3泊して足をのばされます。お料理のことなど大変なことはあるのですが、日本の代表のつもりで、それも励みになります。旅行記ができるほど転々と旅されるお客様も増えておりますね。わざわざここまできたから、萩・津和野あたりまで足をのばそうと。 |
| 渡辺 |
和風のいい旅館は外国人に人気だからね。柊家もそうだけど。京都からだとここまで新幹線で1時間ぐらいだから、外国人は連続して日本の古いところを泊まり歩くのが面白いんだろうな。 |
| 中村 |
初めて旅館に泊まる方もおられますが、だいたいの方は一度こられたことがあり、その時は東京と京都に行かれて、それ以外の都市は、2度目、3度目の方が多いですね。 |
| 渡辺 |
東南アジアの人は? |
| 中村 |
韓国・中国、アジアの方は少ないです。先日、アンドラという国の方をお迎えしたんです。スイスとドイツとオーストラリアの境にある。恐らく世界一小さい国のいくつかの一つだと思うんですが。ヨーロッパの小さな国に、私もその国を知らなかったら、ちゃんとあると、ご自身の国のガイドブックを持ってきてくださいました。 |
| 渡辺 |
なるほどね、ところで各部屋の特徴を教えてほしいな。 |
| 中村 |
まずこちらの「東の間」は、先ほど申し上げたように、米蔵の1階部分でございます。この部屋は、当時とほとんど間取りを変えていません。一番の特徴は、大きな蔵ですので、柱・梁がしっかりとしています。2階の「巽の間」を見ていただくと、大きな梁が非常に克明にごらんいただけます。ほとんど当時のままです。 |
| 渡辺 |
「東の間」は布団を敷くのですか。 |