| 渡辺 |
普通、倉敷っていうと、白壁の蔵が並ぶ風情のある景色ばかりを思うけど、水島コンビナートがあって、工業都市でもあるんだね。水産業も盛んだし。 |






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| 中村 |
そうです。また、美観地区も、もともと明治末期、日本有数の紡績会社社長の大原孫三郎様が、広い意味のメセナのような考え方をいち早くお考えになられて、美術館等の文化施設を造られ、戦後も街並みを保存することに力を入れられた結果です。商人産業の町が倉敷の前身ということで、それなくしては今の芸術と歴史の街は、なかったとうかがっております。 |
| 渡辺 | このあたりの街並みは、風致地区っていうか、保存地区なんですね。 |
| 中村 |
美観の保存地区でございます。正確には「重要伝統的建造物群保存地区」として外観は許可なしには木1本いじってはいけないといわれます。中も、文化財指定を受けておられるお宅は変えられません。ただ私どもは、先代が砂糖問屋から旅館にさせていただく際に、建築家の浦辺鎮太郎先生による改築をさせていただいていますので、それがなければ、比較的新しい個所は別として、古い個所は指定を受けたかもしれないとお聞きしています。ところで、先生は倉敷は初めてですか? |
| 渡辺 |
いや、20年ぐらい前にアイビースクウェアができた時に、講演会できています。 |
| 中村 |
倉敷は大きな病院があって、医療関係の方は学会などでよくこられる町だとお聞きしていました。それでお越しになられたことがあるかしらと思っていたのですが。 |
| 渡辺 |
こんな風情のあるお部屋を、こんなに大きくゆったりと使って、これで経営は大丈夫ですかって、余計な心配をしてしまうけど。(笑) |
| 中村 |
先生の指摘いただいたとおり、宿泊のみですと、しょせん5部屋ですので全室が満室になっても、難しいことがあり、稼働率もかなり重くのしかかっております。今は、地元の方のご宴会に多く使っていただいているお座敷、そしてレストランの営業、テナントでお貸ししている蔵と、多角経営により収益とリスクを分散しております。それも立地に恩恵を被ってできることだとひしひしと感じます。 |
| 渡辺 | 利益追求より、こういう文化財を大切に残していくという気概をとても感じるね。 |
| 中村 |
ありがとうございます。 |
| 渡辺 |
もうかればいいという感じとは、ちょっと違うね。 |
| 中村 |
やはり企業ですので、赤字ばかりを出して存続し得ないということは、建物などをお預かりしているものの責任をまっとうできないことなので、維持をしていく体質を早く安定させなさいという指示を受けております。それがなければ、倉敷の地元のお客様もついてきてくださらないと思います。 |