| 渡辺 | 今夜僕が泊めてもらうところができて、一気にまた増えたのですか? | ![]() ![]() ![]() |
| 北山 | 創業が1986年ですから、早21年になります。日本人の生活意識の変化と共に業態を磨いて進化しています。 | |
| 渡辺 | 少しずつ夢を膨らませていく。それってどういう感じですか? | |
| 北山 | 商品やサービスは理念を見せる機能でしかありません。それは器のようなもの。 | |
| 渡辺 | 「二期倶楽部」という名前は始めからですか? | |
| 北山 | はい。「二期倶楽部」ホテル全体の総称にするか、最初の6部屋に限定した本館の名称にするか、悩みました。現在は「にき倶楽部1986」が本館をさし、コンセプトを直接訴えて「NIKI・CLUB&SPA」を東館の名称に、これらを合わせて、現在は二期倶楽部≠ニいっています。 | |
| 渡辺 | 「二期」って大胆な発想だね。普通は一期一会であまりに有名な言葉だけど、それを二にするなんて、なかなか思いつかない。四文字熟語でしっかりできあがっている言葉を変えちゃうんだから。 | |
| 北山 | 変ですか?(笑) | |
| 渡辺 | 変なんだけど、なるほどって納得するね。 | |
| 北山 | 友人のコピーライターが考えてくれました。とにかく宿屋でもない、旅館でもない、ホテルでもない、新しいタイトルを考えていただきたいと伝えました。当然コピーライターは、土地の歴史をひもといて、何かいろいろ探してきますね。しかし仲々気に入る名前がないのです。「センシンテイ」とか、「緑陰」、「なでしこ」、「洗心庵」・・・。最後に「二期」がありました。直感です。 |
| 渡辺 | 一期一会が、仰天していると思う。(笑) |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 北山 ひとみ(きたやま ひとみ)
二期リゾート 代表取締役 東京に生まれる 自然と調和したリゾートホテル「二期倶楽部」を自分の別荘に出かける感覚で那須に(1986年)オープンして20年になる。 現在、二期倶楽部のほか、沖縄県石垣島にオーベルジュ「川平」、その他首都圏内にレストラン14軒他、千鳥ヶ淵工芸ギャラリー「册」、アロマトリートメントサロン「nikissimo」を経営。 |
| 北山 | 素人ですから、怖いものがない。(笑) | |
| 渡辺 | 一期一会は、一度の出会いを大切にしたいという意味だけど。そこに二期って、とんでもない発想(笑)。でも、なるほどって。また会いましょうというメッセージが感じられる。 | |
| 北山 | そう感じていただけるだけで十分嬉しいです。 | |
| 渡辺 | なまじ国文学の知識があると出てこない。その大胆さがいい。(笑) | |
| 北山 | ありがとうございます。(笑) | |
| 渡辺 | その後に倶楽部って入れたところがまた、斬新でね。 | |
| 北山 | いわゆる古典の教養があれば、もっと別の名前をつけたでしょうが。 | |
| 渡辺 | 刺激的ですよ。よく意味がわからなくてきている人もいるだろうけど。有名になると、全部が力になる。 | |
| 北山 | 有名じゃないですよ。 | |
| 渡辺 | そんなことはない。「二期倶楽部へ行く」っていうと、「え、いいですね」っていう編集者がけっこういますよ。 | |
| 北山 | 編集者の方には本当にお世話になっていますから。 | |
| 渡辺 | 女性誌にもかなり取り上げられたでしょう。 | |
| 北山 | 掲載誌を数えてみると、相当の数になると思います。最初に取りあげていただいたのは、中央公論社の『マリ・クレール』のフランス人の女性記者です。当時使っていた番傘を池の前に並べて撮影していかれました。日本的なものが私の中にもあったということを、逆に編集者に教えていいただきました。 | |
| 渡辺 | 記事を作って売りに行ったんだ。 | |
| 北山 | 編集者の方は、私以上に二期倶楽部の価値を理解し、詩的に書いてくださいます。ですから、計画通りに実現してきたというより、自分の持っているイメージが時代や人の縁に導かれて、今ここにある気がしています。 | |
| 渡辺 | それはそうでしょうけど。もうちょっと、そしてさらによくしていきたい。という思いがずっとおありなんでしょ。 | |
| 北山 | とにかく那須の外れですから、何もないところに、白いキャンパスに一筆おとし、画き続けるようなものです。 | |
| 渡辺 | お子さんはいらっしゃるんですか。 | |
| 北山 | おります。 | |
| 渡辺 | 子育てと似ていませんか。 | |
| 北山 | 子供はかなり反抗しますけど。(笑) | |
| 渡辺 | 自然は反抗しない? | |
| 北山 | 自然は厳しいけど反抗と違う。もっと正直です。季節は巡って人はさまざまに変わっても、春になると花は咲き、秋になると散って、でも人間は突然、何をやるかわからない個人の荒ぶる魂を持っているから畏いです、自然より。 | |
| 渡辺 | ここまで二期倶楽部を育てられると、可愛いでしょ。 | |
| 北山 | 建築そのものを慈しむよりも、何かその関係性を考える方が楽しくなりました。お客様と自分、スタッフと私、そういう関係性を深めていくことが面白い。 | |
| 渡辺 | これからが収穫期だ。金銭的にはどうかわからないけど、いろいろなものが実ってきて収穫期でしょ。 | |
| 北山 | そうだといいです。 | |
| 渡辺 | 従業員の方がみんな感じがいい。女性はきれいだし。(笑) | |
| 北山 | 心映えも美しいですよ。知的、美的スタッフがたくさん働いています。(笑) | |
| 渡辺 | 本当に、きちんとしていて。 | |
| 北山 | ありがとうございます。 | |
| 渡辺 | 那須の方というより、東京から? | |
| 北山 | 東京から移ってきた方もいます。最初は東京どころか地元からの応募者もなく、6部屋の小さな宿屋に勤めようと思う人はいませんでしょう。 | |
| 渡辺 | 誰だって、こんな山の中に好んでくるはずないよ。(笑) | |
| 北山 | 一緒に学びながら試行錯誤です。学びは学校という場だけではありませんね。 | |
| 渡辺 | 苦労が顔に出ていない。 | |
| 北山 | それ、かなり問題ですね。世界中の苦労を背負っている気分なのに(笑)。 | |
| 渡辺 | 楽しいことばかり、あるみたいだ。 |


















