

日本の若い人たちが、たくさんリゾートに行くようになりました。アメリカ人などリタイアした老夫婦しか行かない高級なホテルにも、日本人の若者が宿泊している光景を目にします。
この状況をアメリカ人に聞かれたので、日本人のみんながお金持ちではなく、狭い家に住んでいる場合もある、と説明するとたいてい驚きます。そのような若者が、贅沢な外国旅行をしているのが信じられないというのです。

しかし、私は若い人が背伸びして旅行するのは、悪いとは思いません。たとえば、高齢になり足も不自由になって、車椅子でしか移動できなくなる可能性は誰にでもあります。車椅子で旅行するのは、それでいいけれど、自分の足で歩いてしか行けない場所に行ったり、その土地でスポーツをするなど、車椅子ではできないこともあります。もっと早く旅行すればよかったと後悔するかもしれません。また、その年齢でしか感じられないこともたくさんあります。
若いときから、国内国外を問わずに旅行し、自分の目で見て、肌で感じるのはすごくいいことです。ただ、残念なのは、それが自分の肥やしになっていないこと。一過性で終わってしまっていることです。
たとえば、ファッションです。ロサンゼルスに夏に行ったとしましょう。カリフォルニアの気候は1年を通して温暖です。夏は特に太陽がまぶしくサンタモニカのビーチだけではなく、街の中も短パンにTシャツといったラフな格好をしています。もちろん、ディナーでおしゃれして出かける場合は別です。昼間、ブランドものの洋服を着て、ブランドもののバッグを持ち、真っ赤な口紅をつけて歩いたら、その場所にふさわしくないのは一目瞭然。外国人に「日本のあの子たちはフォカーなのか」と聞かれたこともあります。せっかくおしゃれをしても、適さないと悲しい結果になってしまいます。
その場所に適したファッションを学びたいものです。その土地になじむことは、旅の楽しみですから。どんなTシャツを着て、どんなパンツにバッグを持っているのかを研究すると、自分が何が好きで、何が似合うのかがわかってきます。髪かざりでも、長い髪のまとめかたでも、小さなことを見て、学んで、やってみると発見があります。Tシャツもプリントが可愛いものから、カットがエレガントなもの、また斬新なデザインのものとアメリカ人の遊び心が表現されています。
ウインドショッピングをして目を肥やしましょう。街になじむ楽しみを味わってはいかがでしょうか。
東京生まれ。セツモードセミナー卒。高校在学中に二科展入選、イラストレーターを経てスタイリストに。