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一期一会

桃井かおり桃井かおり 心に残る出会い3

桃井かおり 逃げなければ面白くなる
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[3]素のまんま

桃井かおり イメージ1 日本にいると、仕事はたくさん来るけれど、“桃井かおり”をみんなラベル化しすぎているから、面白くはならない。ロスではみんな、私のことを知らないから。今、どんな人間に見えているかという、体重測定みたいなことができるわけ。素のまんまで大丈夫でしょ、ちょっとチャック開けている感じで、風通しよく生きていられる。チャックをみんなが、もっと開けてくれるし、すごくいい感じ。日本には仕事仲間はいるけれど、親友はいない。でも向こうにいると、親友ができていく。
ロスで出会う俳優や監督、彫刻家とか、魅力的だなと思う男の人は、みんな「話ができる女の人が好き」って言うの。それはたぶん、話を聞いてくれる人という意味じゃなくて、言い返す人って意味。「私はそう思わないわ」とか、自分の意見をはっきり言える女性。

ロスで暮らすうちに、だんだん、「私は別にヘンじゃなかったんだ」と気づいたの。若い頃はとくに、“桃井かおりは生意気だ”って言われてきたけれど、意見があるのは生きているんだから当たり前だ、と。向こうでは、意見や感想がないと、気持ち悪がられる。私はきちんとリアクションをするわけ。『SAYURI」』の時に、「やっと気持ち悪くない日本人が来た」と言われたんだから。
『ジャンゴ』で共演したタランティーノさんも、彼が監督をした映画を見たら、日本人にはいないタイプの女性ばかり出てくるんで、「ものすごく強い女が好きでしょう?」と聞いてみたら、「僕のお母さんはすごく強かった」って。だから、大人しい女にはぜんぜん魅力感じないみたい。「じゃあ、日本人の女はダメよね」と言ったら、「君だって日本人だろう? ぜんぜん大人しくない」と言われたのよ。きちんと「ノー」を言える女性が好きみたいね。

桃井かおり イメージ2 ロスでただ暮らすだけではなく、英語で芝居をしたら、もっと出会う人数も増えてくるわけでしょう? 英語ができるようになればいいだけだから。才能の問題じゃないし、英語は。人といてしゃべっていればうまくなる。私、寂しくて、英語でもしゃべりたいから、すごくいいバランス。

映画のオーディションはいろいろ受けて、落ちたりしてる。アメリカの樹木希林さんみたいなポジションを狙っているので、面白い映画に出たいわけよ。松田優作が死んだことが、やっぱり潜在的に、アメリカで芝居をすることにつながっているのかな、という気がしてるの。
私がすごく好きだった『カンバセーションズ』という映画をとったハンス・カノーサという監督がいるんだけど、彼の映画に出たいなと思っていたら、出られることになって。それがタンゴダンサーの役なの。だから今、タンゴを特訓中。
身体、すごく鍛えてるの、今。『ジャンゴ』で初めてアクションをやったら、思ったより身体が動かないことにショックを受けて。だから背筋も鍛えた。そうしたら、身体を動かす仕事が来るのね、こういうときって。きっと、呼ばれるのね。上海でも映画に出るんだけど、それもクラシックバレエをやる役。昔やったことが、なんだか突然、まとまってきて。ロスで暮らし始めてから、なんか思いがけないことが次々に起こるのよね。


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桃井かおり
桃井かおり ― ももい かおり ―
桃井かおり イラスト1952年、東京生まれ。12歳で英国ロイヤル・バレエ・アカデミーに留学。女子美術大学付属高校卒業後、文学座研究所を経て71年、映画デビュー。77年『幸福の黄色いハンカチ』で日本アカデミー賞、ブルーリボン賞助演女優賞受賞。79年には『もう頬づえはつかない』『神様のくれた赤ん坊』で日本アカデミー賞、ブルーリボン賞主演女優賞受賞。女優のほか、エッセイストとしても活躍。2005年ロブ・マーシャル監督の映画『SAYURI』でハリウッドデビュー。その後、ロシア映画『太陽』にも出演している。06年『無花果の顔』では初監督を務め、原作・脚本を書き、出演している。第57回ベルリン国際映画祭 最優秀アジア映画賞、第21回スイス・フリブール国際映画祭長編コンペティション部門特別賞、トルコ フライング・ブルーム国際女性映画祭 国際批評家連盟賞を受賞している。三池崇史監督の映画『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』公開中
桃井かおり オフィシャルサイト

撮影:田中良知 (VQ)
写真協力:「psiko」
プロフィールイラスト:咲さん






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