

宝塚の魅力は、やはり男役が存在することです。ここまで男役が確立して、女性が男性を演じる劇団はほかにはありません。そこにファンの方は惹かれると思います。夢の世界というか、現実ではない独特の世界が展開されます。観ている間は、夢の世界にひたれる。それが魅力でしょうね。
私もそんななかで、15年間ずっと男役をやってきましたので、退団しても男役から「女優」に変わるのが難しい(笑)。パッと変われたら嬉しいですけど。(笑)
男性的に歩かないようにとか、普段からなるべくスカートをはくように心がけています。スカートははいていませんでしたから。
最初の頃は、玄関を出る時も、周りをうかがって誰もいないのを確かめてから出かけていました。街を歩いても、別に人は私がズボンしかはいていなかったなんて知らないはずなのに、みんなが自分を笑っているような気がして……なんか自意識過剰になってしまうんですよね。両親でさえ、スカート姿を見て大笑いをしましたので。普通、女性だったら、スカートをはいて外を歩くことを恥ずかしいと思わないでしょう。
今はスカートに慣れました。人間って、慣れるんですね。こうして、女に生まれ変わっていくんでしょうね。(笑)
でも今回、『愛、時をこえて』の制作発表の写真を見て思ったんですが、本物の男性と並ぶと、私も女の子に見えるんですね! それは新しい発見でした。自分で自分を、新鮮に思いました。
今は、初めての経験や新しい出会いがたくさんあるので、ワクワクしています。たとえば宝塚では演出家の先生も座付きだったり、共演者も変わらないなかで舞台を作りますが、これからは、毎回、顔合わせが変わります。いろいろな刺激を受けられることが、とても楽しみです。
10月にはグローブ座『ヴェローナの二紳士』で舞台があり、11月にはピアニストの小原孝さんと大澄賢也さんを迎えてのコンサート形式の舞台があります。また12月は、舞台版『チャングムの誓い』で、グミョンの役を演じます。きっと感じることがたくさんあると思います。
映像の仕事は経験がないので、チャレンジしてみたいですし、普通の女優さんにとっては女を演じるのはチャレンジではないでしょうけれど、私にとってはチャレンジのひとつ。今までやってきたことがそのまま通用するわけではないし、そういう部分では戸惑いもありますけど、失敗は成功のもとだと思って、恐れずに進んでいきたいですね。新しい貴城けいをお見せできるよう、どんどん挑戦していきます。
