

今までの人生の中で一番大きな出会いといえば、やはり芸能界に入るきっかけとなった出会いでしょうね。中学生の時にスカウトしてくれたマネージャーがいなければ、今の私は存在しませんから。
気がついたら、デビューから15年。今年、30歳になりました。年齢とともに役も広がり、今までやったことのない役もいただけるようになり、チャレンジのしがいがあります。
8月に公開される映画『怪談』では、色っぽくて粋な悪女・お賎を演じています。登場する女性たちは、みんな尾上菊之助さんが演じる新吉に惚れるのに、その中で唯一お賎だけが惚れない。そればかりか、新吉のお金を巻き上げて、陥れてやろうという女性です。
役をいただいた時から楽しみでした。ああいう悪女は、日常とかけ離れているため、体当たりでき、演じていて気持ちいいし、これは見せ所だなと思いました。映画の最後のほうで登場するので、ガツンといかなくてはいけない(笑)と、気合が入りました。
撮影前にとにかく、「思いっきりやってやろう」と思いました。着物の色合いも粋でパキーンとした強さがあるし、「ここまで衣文を抜くの?」という、もうギリギリ見えそうなところまで、衣文を抜いた着こなしをしています。口紅も真っ赤。外見からも作っていったので、役に入りやすかったですね。
役作りの上で考えたのは、目の使い方と声の調子です。色っぽく近づいて行く時は、男を誘うような目だけれど、脅す時は相手を威圧するような目つきをする。ドスのきいた低い声で脅したかと思うと、コロッと変えて柔らかくしゃべったりして、悪女っぷりを出してみました。(笑)
監督はずっとカメラの横にいて、回る寸前に必ず、「色っぽく、色っぽくね」とおっしゃるんですよ(笑)。「色っぽさ」を表現するのに大事なことは、動き方や体の角度、目の使い方です。まっすぐ相手を見るのではなく、顔を少し動かしてアングルを変えると色っぽく見えると研究した結果、わかりました。
そもそも着物というのは、女性を色っぽく見せるので、ずいぶん助けられましたね。普通の洋服だったら、色気を表現するのはすごく難しい。着物の持っている力で、着ればしなっとしたり、片方の肩を落とせば色っぽさが出ますから。
そんなふうに自分なりにいろいろイメージして、考えてやったことが、「いい感じ」と現場で評価されたので嬉しかったですね。悪女だけど、カッコいい役。やっぱり30代になったからこそ、いただける役。この作品と出会えて嬉しいです。
役柄では「色っぽい悪女」を演じましたが、私生活では、サバサバ系です(笑)。ファッションもいたってシンプルで、色っぽい服はほとんど着ませんね。着物も持っていますが、着る機会がありません。もう少し年齢があがったら、パーティなどで着てみたいと思っています。
