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一期一会

寺島しのぶ寺島しのぶ 心に残る出会い1

自分に正直に生きたい1
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[3]私しかいないと思った役

寺島しのぶ 守護天使 撮影風景1 先日、東京藝術大学の学生さんたちが制作した映画『ラッシュライフ』に出演しました。現場はプロではないから、それは過酷ですよ。でも、それも楽しいんです。監督・スタッフの卵たちと一緒に作るのも。「みんなこういうところから始まったんだよね」ということを思い出させてくれるんです。
学生さんからお話がきたのも嬉しかったですね。それに、そういう環境でもこんなにいい映画撮れたぜって思わせたいなって思ったんです。プロに比べたら、技術は伴っていないし、何のオーガナイズもされていないけれども、彼らの何かをやろうという熱いものは伝わってきた。私も20代はこうだったんだと思い出しましたね。散々文句は言いましたけど(笑)。一人二役の役柄を演じました。恋人がいて、その恋人と奥さんを殺す計画をしていたけど、実は奥さんと恋人が私を殺そうとしていた。一週間、山の中のロケで、スケジュールもカツカツですから、寝られませんでしたけどね。(笑)

寺島しのぶ 守護天使 撮影風景1 自分自身もたぶん変わってきたんだと思います。学生さんが創る映画に出てみたいと思ったのは、自分でも不思議ですね。いつか学生さんたちが映画監督になって、またご一緒できたら素敵ですよね。

「一期一会」という言葉は大好きなんです。運命って本当にあると思います。あのとき、あの人に会っていたから、今こうなったとか。縁がない人はまったく縁がありません。でも、出会ったんですから、やはり何かあると思うんです。

寺島しのぶ 守護天使 撮影風景1 これまでの私の仕事人生で、それを一番に感じさせてくれたものは、『赤目四十八瀧心中未遂』ですね。車谷長吉さんの本に出会ったことです。本屋で手に取ったのが、ハードカバーの時だから22才かな? 読書カードに「これを映画化することがあったら、絶対この役は私にやらせてください」と書いて送ったんです。作者に手紙を書くなんて初めてでした(笑)。生臭い中にいながら、凛と一所懸命生きている綾にすごく感銘を受けて、興奮したままで書いたんですね。

本を読んでは、この役やりたいと思っていましたけど、「これは私しかいない」と思い込んだのは初めてでした。風の噂で「誰々がやるかもしれないよ」とか「どこそこが映画化権を買ったよ」とか耳に入ってきます。そのたびに「私じゃなかったら、もう映画自体なくしてほしい」というぐらいに思っていたんですよ。それぐらいの思い込みでした。

寺島しのぶ 守護天使 撮影風景1 車谷さんは、20代の子がこの本をいいと思い、その役を演じたいと思ったことが、すごく嬉しかったそうで、映画化の話が出たときに、私のことを覚えていてくださったんです。はがきを出してから、もう6、7年経っていましたから、あり得ないと思っていたんですね。でも、何がどこでどう転がるかわからないことも、そこで知りました。

現場でも学びましたね。一個のものに賭ける全員の意気込みが、本当にすごい。低予算の中で、選りすぐりのスタッフを集めてくれました。私も「なんでもやります!」という意気込みでしたね。だから、ひとつ神様がプレゼントしてくれたのかなぁ、なんて思いました。私は、何かに出会ったとき、今まで直感で生きてきました。これだと思ったときは瞬時に決まるんです。決めたら、もうためらいも迷いもありません。

『赤目四十八瀧心中未遂』は大胆なシーンもあり、母に猛反対されましたが、反対をなんとも思わなかったですから。誰がなんと言おうと、やる気持ちでした。撮影が始まって、改めて、本当にこの役をやりたかったんだと、毎日実感していました。まるで何かにとり憑かれていたようでしたね。



YOU
寺島しのぶ ― てらじましのぶ ―
1972年12月28日、京都市生まれ。父は七代目尾上菊五郎。母は富司純子。青山学院大学卒業。文学座を経て、数々の舞台、映画、ドラマで活躍する。映画『赤目四十八瀧心中未遂』で2004年日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン主演女優賞など主要な映画賞を総なめにした。また、2006年には、舞台『書く女』で朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。そのほかに舞台『グリークス』『欲望という名の電車』『ヴェニスの商人』、映画『ヴァイブレータ』『やわらかい生活』『愛の流刑地』など、出演作多数。07年4月、フランス人アートディレクター、ローラン・グナシアさんと結婚。
7月10日(木)よりテレビドラマ『四つの嘘』(テレビ朝日系列・木曜夜9時〜)に出演。映画も、『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』(7月12日より全国松竹系公開)、『ハッピー・フライト』(11月15日より全国東宝系公開)、『守護天使』(2009年春公開)と作品が控えている。舞台『私生活』は10月3日(金)〜31日(金) シアター・クリエ 、11月2日(日)・3日(月・祝)中日劇場、11月4日(火)〜9日(日) シアターBRAVA!にて上演予定。








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