
私、疲れると、ブイヨンの体に顔をギュッとおしつけるんですよ(笑)。すると、犬の温もりやふわふわした感触、匂いがとても気持ちよくって、頭も楽になるし、目の疲れもすーっととれていく。つきあいが深くなればなるほど、いとおしさが増していきますね。大人になるにつれて私たちのことをよく理解するようになってきたので、子犬の頃とは違うコミュニケーションが生まれてきます。ときどき「人間じゃないか」と思うこともあるし、自分が産んだんじゃないかと思うこともあるし(笑)、体の一部みたいな感じ。いつか、人間の言葉をしゃべるような気さえしてきます。(笑)
糸井の仕事にも、変化がおきました。私たちが惚れこんだジャックラッセル・テリアの写真を、自分のブログ「ほぼ日刊イトイ新聞」で紹介し始めたところ、ものすごい反響で。それがきっかけとなって、『Say Hello! あのこによろしく。』という本が生まれました。また、昨年のお正月からデジタルカメラで写真を撮って、「気まぐれカメら」という連載を始めました。これもブイヨンがいなければ、やらなかったでしょうね。同じようなものを撮っても、犬がいるだけで、ドラマが生まれるんです。だから仕事に関しても、すごくいいものをいただいた。
それまでは自分たちのことだけを考えていればよかったけれど、動物と一緒に暮らしていると、そうはいかない。大変だけど、「世話をする」喜びがあります。世話をする対象ができたことで、少し成長できたのかな、という気がします。
犬って不思議ですよね。なんでこんなに人間と相性のいい動物がこの世に生まれたんだろうと思う。いつも寄り添ってくれるけど、一人でいたいときは、す〜っと離れていく。寝いときは、「ちょっと失礼」みたいな感じで。「今、寝室に行こうとしているでしょう!」と言うと、「ハッ!」とびっくりしてこちらを見る。(笑)
ブイヨン出会えたおかげ、生活も仕事も活性化されました。糸井は「ブイヨンはうちの希望だ!」と言っています。たった一匹の犬だけど、「ブイヨンがいるのといないのでは生活の楽しみ方の量がぜんぜん違ったなぁ」と、しみじみ思う3年間です。
樋口可南子(女優)