



「ラ・フォル・ジュルネ」は「熱狂の日」と訳される。総合プロデューサーのルネ・マルタンは第1回のテーマを“モーツァルト”にし、絶え間なく2日間ぐらい音楽が流れているお祭りのような催しにしたいと考えていた。
モーツァルトのオペラ、ボーマルシェの演劇作品の副題の「ラ・フォル・ジュルネ」にインスピレーションを受けた。この戯曲は1784年に発表され、フランス革命の契機になったともいわれているほどである。クラシックの今までの概念を覆し、境界を取り除きたい思いにぴったりだった、とルネ・マルタンは語る。
最初のモーツァルトから現在に至るまで、ポスターにもその思いが表現されている。今年はシューベルトが青いスニーカーをはいて椅子に座っているポスターである。
大ホールから小ホールまで、つまりオーケストラからソロ演奏まで、さまざまなホールでコンサートが開催される。いくつかの公演をはしごするのが、「ラ・フォル・ジュルネ」の一番の楽しみ。いいとこどりである。なかなか演奏されない楽曲もプログラムに組まれていたり、才能あふれる新人アーティストの演奏に出会ったり、ほかでは味わえない魅力が詰まっている。
公演を演奏が終わったアーティストも聴きにきているので、会場で出会ったり、楽器を持って帰っていくのに遭遇したりする。「さっきの演奏は素晴らしかった!」と気軽に声をかける人々の姿もみられる。CDにサインをもらっている人もいる。演奏者と聴衆の距離が近い。自由な感じも「ラ・フォル・ジュルネ」ならではである。

