




フランス北西部、ロワール川が大西洋に流れ込む手前に開けたロワール地方最大の都市がナントである。
ガリア‐ローマ時代に一時期、ノルマン人の支配下に置かれるが、10世紀にはブルターニュ公領となる。1598年、アンリ4世が信教の自由を認めるナントの勅令を公布した地としても名高い。18世紀には砂糖などの貿易で繁栄した。現在もフランス屈指の貿易港。
『15少年漂流記』『80日間世界一周』などを書いたジュール・ヴェルヌはナント出身である。
第二次世界地戦中、市街の破壊は著しかったが、ナントのシンボルであるブルターニュー大公城は13世紀に作られ、15世紀には最後のブルターニュ公が居城にしている。1532年にブルターニュ公国がフランスになってからは、歴代フランス国王の居城となった。「ナントの勅令」もここで発令された。城内には歴史博物館もあり、800点のコレクションが展示されている。
サン・ピエール・サン・ポール大聖堂はパリのノートルダム寺院よりも天井が高いといわれており、当時の形のまま現存している。1434年着工し、完成まで450年もの歳月がかかったらしい。ルネサンス様式の装飾が見事である。
ナントには歴史的建造物がたくさん残っている。ルイ・フィリップの時代、1843年に建てられた3階建ての天井のあるアーケード、パッサージュ・ポムレイは、多くの商店が入っており、今も往来がたえない。
1995年にナントで誕生したクラシックの音楽祭が「ラ・フォル・ジュルネ」である。クラシック音楽の常識を破った、同時多発的なエキサイティングな音楽祭だ。1公演も45分〜90分と短い。
毎年、テーマが決められ、それにちなんだ演奏が約300公演行われる。ナントでは、コンベンションセンター「シテ・デ・コングレ」で開催される。東京でゴールデンウィークに行われる「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」では、有料・無料を合わせて約400公演という。
ナントでは朝から晩まで5日間、熱狂が続いた。5ユーロから22ユーロというチケットの安さも初心者から子どもまで人気の理由。ここでクラシック音楽に出会ってファンになった人も多い。キッズプログラムも充実しているので、子どもにも人気がある。
2000年からはポルトガル・リスボン、02年からスペイン・ビルバオで開催され、05年に東京にもやってきた。昨年は100万人の来場者で盛り上がった。今年の公演が期待される。

