

桜の頃と言えば桜鯛となるが、今日は鯛茶漬け。店の秘伝のたれに鯛の切り身が入れてある。たれの具体的な内容は教えてもらえないが、ごまの風味でこくがあり、卵の黄身のまろやかさと深みが加わり、日本酒の香りもするが気のせいだろうか。しょう油で味を調えているようである。
土曜日のランチに何を食べるか考えるのは楽しい。1日の食事の重点をランチにおいてフランス料理のコースを時間かけて食べるのも一興。あれこれつまみながら枡酒を飲み、最後は蕎麦でしめようか。それとも、テラスでパスタを食べようか。迷っているうちに頭の中は、食べ物でいっぱいになるのだが、「担担麺だ」と確信する日がある。
ぶどうはつぶされることなく、房のまま発酵層に入れられ、普通は1週間から2週間ぐらいの時間をかけて発酵させるのを、ボジョレー・ヌーボーは3日か4日で終わらせる。果皮や種から出るタンニンもほとんどなく、渋みの少ないさわやかな香りが生きたワインとなる。
寒くなると牡蠣の季節。中華料理店で勧められたのが「銀杏と牡蠣の唐辛子炒め」である。運ばれてきた皿には殻から出された牡蠣の姿はない。何かに包まれた牡蠣らしいものがたくさんの大きな唐辛子の下にあった。こぼれ落ちたのか、銀杏がまわりにある。
かつおは春から初夏にかけて、沖縄周辺から三陸沖へ黒潮に乗って北上する。脂の乗りが少なく、さっぱりしているのが「初がつお」。秋は反対に、水温が下がるのにしたがって南下。この時期は、脂が乗ってかつおも太っている。これが「戻りがつお」といわれるものである。かつおは、年に2回、春と秋に堪能できる。
インドの本格的なカレーは、何種類ものスパイスが絶妙なバランスで味と香りを作り出している。ブナ・チキンカレーはペパーミントの香りが漂い、辛味が特徴的で爽やかな感じがする。しかも、しっかり炒めたチキンの旨みと、ゆっくりじっくり炒めた玉ねぎの甘さがマッチしている。かぼちゃのサブジは、10種類のスパイスを使った汁のないカレー。スパイスをたくさん使っているが、まろやかさや甘みも忘れられない。キーマカレー、ホウレン草のカレー、マトンマサラ……ルーにはたくさんの野菜も使われ、スパイスが複雑な味をかもし出す。ナンやパロタという平焼きの丸いパンと食べれば、さらに食が進む。
以前は店でもあまり見かけなかったが、最近ではきれいに並べられているアップルマンゴー。赤い皮の内側には、濃い黄色のみずみずしい果肉がつまっている。熱帯原産のウルシ科の常緑高木でその品種は多く、国内で栽培されているほとんどはアーウィン種。表面が赤くなり、まるでりんごに似ているのでアップルマンゴーとも呼ばれている。とてもジューシーで糖度が高いが上品な甘さで、まろやかな食感。甘い香りも漂う。
琥珀色の透き通ったスープは、見た目には淡白な印象を受けるが、口に入れると味の深さを知らされる。牛・鶏・魚を煮込み野菜を加えて煮立て、時間をかけて作られる手の込んだものである。
夜、7時をすぎるとレストランの入口にあるバーに外国人が集まってくる。東京の真ん中とは思えないほど外国人の姿が多く、その中に日本人が混ざっている。バーで食前酒を飲み、白いテーブルクロスのかかった奥のレストランに移動する。
ウィークエンドは、青空が見えるテラスで時間をかけてランチをとると、日常とは違ってゆったりと時間がすぎる。ウィークデイは仕事に追われてあわただしく時間を過ごすことが多いが、週末は朝寝坊をし、1週間の睡眠不足も解消。頭も身体もすっきりしたところで、気心知れた人との会食。