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一期一会
ベル・ペンドリへようこそ
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 [050] ナポレオン・パイ
ナポレオン・パイ 苺と生クリームで飾られ、パイのまわりにはスライスしたアーモンドが敷き詰められている。サクサクのパイの間は、たっぷりのカスタードクリームと苺。生クリームには、バニラビーンズが加えられ、カスタードクリームにはオレンジリキュールのコアントローの香りが漂う。大粒の苺のみずみずしさと甘みにカスタードクリームが絡み、パイがサクッと表情を加える。パイの一枚一枚はきめが細かくやさしい。

ナポレオン皇帝がかぶっていた帽子に形が似ていること、ケーキの中の“皇帝”を意味することから「ナポレオン・パイ」と呼ばれている苺のミルフィーユである。
苺の季節に食べたいケーキである。(2008.04.15)
 
 
 [049] 和牛頬肉のワイン煮
和牛頬肉のワイン煮 パリには路地を入ると、小さいが味の評判がいいレストランがある。ステンドグラスや絵画が飾られた落ち着いた雰囲気の20席ほどの店が東京にもある。オーナーは40余年、同じ場所でフランス料理を出している。「和牛頬肉のワイン煮」の味とオーナーに会いたくて、むしょうに行きたくなるときがある。

メインディシュはもちろん「和牛頬肉のワイン煮」。何時間も煮込まれて、ワイン色の濃いソースができあがる。運ばれた頬肉はナイフを使わずにフォークだけで切れそうだ。やわらかい肉にソースがしみこんで、ジューシーでしっかりした味にしあがっている。いったいどんなワインと材料で煮込んだのか。
オーナーと目が合うと笑顔で答える。(2008.04.08)
 
 
 [048] 桜鯛のしゃぶしゃぶ
桜鯛のしゃぶしゃぶ 春先の真鯛は、全体に桜色を帯びる。桜の咲く時期と重なることから「桜鯛」「花見鯛」と呼ばれる。季節によって名称を変える日本人の繊細な感覚である。

昆布と鯛の骨からとった出汁を土鍋に入れ火にかける。3、4ミリに切った桜鯛をサッと出汁に通し、ポン酢の入った器に移す。食べる前に、ゆずをたっぷりしぼる。かけすぎというぐらい十分に入れる。桜鯛の淡白だが、脂がのった身に、出汁とゆずが絡まってこくとなる。冬場から春先にかけては脂がのっている。身を楽しみながら、出汁を味合う。
ゆずが昆布の出汁とほどよい塩分に変化を与え、何杯でもおかわりしたくなる。(2008.03.25)
 
 
 [047] ふぐ
ふぐ 3月いっぱいでふぐ料理が終わるというので、食べおさめに出かける。一年を通してふぐを出している店もあるが、やっぱりシーズン中に食べたい。にこごりの後のお造りに始まり、白子焼き、かま焼き、から揚げ、ちりと続き雑炊でしめる。

にこごりのプルプルした冷たい喉越しで食欲をそそられる。そこに見事な刺身が出てきた。肉厚に切られた刺身であさつきを巻き、ポン酢で食べる。ふぐ独特の歯ごたえとあっさりした肉を味わう。白子の柔らかくしっとりした食感の中に、しっかりした塩がきいている。ひれ酒が進む。かまの肉をくまなく食し、から揚げで変化をつける。ちりをさっぱりと味わい、雑炊で出汁の深みを楽しむ。2杯目の雑炊にはポン酢を加える。
ふぐづくしに満足し、春を待つ。(2008.03.18)
 
 
 [046] ホワイトアスパラガス
ホワイトアスパラガス 「ホワイトアスパラのいいものが、入っています」イタリア料理のレストランのテーブルに座るとすぐに言われた。ホワイトアスパラガスは、春の食材。まだ、外は寒くコートが離せないが、季節は変わっていた。

15センチぐらいの長さで、太いホワイトアスパラガスを見せてくれた。もちろん注文する。ホワイトアスパラガスは、光合成をしないように土をかぶせて日光に当たらないように大事に育てられるため、グリーンアスパラガスより生産量が少ない。

ゆでたアスパラガスに澄ましバターとチーズをかけ、上に半熟の目玉焼きが乗せてある。いたって簡単な料理だ。食べる時に半熟卵を自分で混ぜる。ナイフがすっと入っていく。食べると、ほろにがく、甘い。やわらかく、ジュシーである。春が一番、糖度が高いだけある。アスパラは太さに関係なく繊維の数が決まっているので、太いもののほうがやわらかい。チーズの塩分と卵の甘みとこくが加わって、食が進む。(2008.03.04)
 
 
 [045] ジビエ
ジビエ ジビエ料理はヨーロッパでは一般的だが、日本ではまだ馴染みが薄い。狩猟による鳥獣肉の料理をジビエといい、西洋人の食文化を何十世紀と支えてきた。パリのマルシェでは、うさぎや鴨が売られ、家庭でも料理されている。9月から冬の狩猟時期に食べる料理である。

レストランの期間限定メニューにあった「イノシシのオリーブと赤ワイン煮込み」を注文。イタリアのトスカーナからシェフが来日し、伝統料理を現地の手法で出してくれるという。ジビエは鳥獣の香りを生かす料理だが、臭みを取り風味を増す調理は技がいる。

何時間も煮込こまれたイノシシが、深いワイン色の濃厚なソースとともに運ばれてきた。オリーブの香りと赤ワインの香りが漂う。オリーブの実も一緒に煮込んであるため、その香りは一段と強い。しっかりとしているがしつこくないソース、歯ごたえはあるが柔らかい肉に驚く。ソースを多めにつけても濃すぎない。
ジビエ料理がもっと日本にも馴染んでほしい。(2008.02.27)
 
 
 [044] ハーブティ
ハーブティ 疲れた時や寝る前にハーブティを飲むとほっとする。コーヒーやカフェインが強い紅茶、緑茶は眠れないことがあるが、ハーブティは落ち着きたい時には最適である。簡単にティーパックになったものもあるが、フレッシュのものはさらに香りがよく、リラックス効果が高い。デトックスの作用もある。

ガラスのティポットに鮮やかな緑のミントの葉やレモングラスを入れる。透明なガラスの向こうに、みずみずしいハーブの色。その緑に目の疲れが取れるのを感じ、カップに注ぐ時の香りは優しい気持ちにさせてくれる。何かやわらかいものに包まれ、安心する。ハーブティは多方面から安らぎを与えてくれる。(2008.02.06)
 
 
 [043] スカンピのグリル
スカンピ イタリアではスカンピ、フランスではラングスチーヌ、日本では手長海老といわれている。ヨーロッパではよく使われる食材だ。
シンプルにグリルする。スカンピは、シェフの今日のお勧めだ。大きな皿に焼かれて赤くなったスカンピが、半分に切られ、長い脚を伸ばした状態で乗せられている。スカンピは肉離れもよく、食べやすい。肉は柔らかく、非常に甘みが強い。軽くふられた塩が、甘みをよりいっそう引き立てている。殻のままグリルするため、海老のうまみが閉じ込められ、殻からのうまみも絡まっている。きりりと冷えた切れ味のいい白ワインによく合う。

スカンピはタウリンが豊富で、血中のコレステロールを下げる効果があり、動脈硬化の予防にもなる。何といっても嬉しいのは、高たんぱく質で低脂肪、糖質がゼロということだ。 (2008.01.29)
 
 
 [042] 蛤
蛤 蛤は日本を代表する貝である。縄文時代の貝塚からも発見されているし、万葉集にも詠われている。平安時代には宮廷や貴族の間に、貝あわせという遊びも残されている。そんな蛤が、フランス料理の温かいオードブルとして出てきた。

大きな白い皿に、大きな蛤が2つ置かれている。殻は黒くこげていた。ウェイターが手際よくナイフとフォークで貝を開けると、殻で蒸し煮された蛤が出てきた。ふくらみのある身を見ただけで蛤の柔らさがわかる。まわりには蛤から出た汁が、いい出汁になっている。何も加えることもなく、焼いただけのシンプルなものだ。旬は冬から春先であり、ひな祭りに備えられていた。蛤は水質に敏感で、きれいな水でしか生息しないからこそ、この料理が活きてくる。(2008.01.22)
 
 
 [041] ロールケーキ
ロールケーキ チョコレートのスポンジに生クリームを巻いただけのシンプルなロールケーキ。なんとも飾り気のないケーキである。スポンジはきめが細やかで、口に入れた瞬間のなめらかでふわっとした感触は忘れることができない。

さらに生クリームが優しさを加える。丁寧に作ったシェフの気持ちが込められており、そのやわらかさに温かみを感じる。おさえられた甘み、適度に冷やされた生クリームとスポンジが重なると、ふたつが調和する。しっとり感といい、チョコレートの風味といい、フランス料理のデザートに食べると満足感がさらに増す。(2008.01.15)
 
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