

苺と生クリームで飾られ、パイのまわりにはスライスしたアーモンドが敷き詰められている。サクサクのパイの間は、たっぷりのカスタードクリームと苺。生クリームには、バニラビーンズが加えられ、カスタードクリームにはオレンジリキュールのコアントローの香りが漂う。大粒の苺のみずみずしさと甘みにカスタードクリームが絡み、パイがサクッと表情を加える。パイの一枚一枚はきめが細かくやさしい。
パリには路地を入ると、小さいが味の評判がいいレストランがある。ステンドグラスや絵画が飾られた落ち着いた雰囲気の20席ほどの店が東京にもある。オーナーは40余年、同じ場所でフランス料理を出している。「和牛頬肉のワイン煮」の味とオーナーに会いたくて、むしょうに行きたくなるときがある。
春先の真鯛は、全体に桜色を帯びる。桜の咲く時期と重なることから「桜鯛」「花見鯛」と呼ばれる。季節によって名称を変える日本人の繊細な感覚である。
3月いっぱいでふぐ料理が終わるというので、食べおさめに出かける。一年を通してふぐを出している店もあるが、やっぱりシーズン中に食べたい。にこごりの後のお造りに始まり、白子焼き、かま焼き、から揚げ、ちりと続き雑炊でしめる。
「ホワイトアスパラのいいものが、入っています」イタリア料理のレストランのテーブルに座るとすぐに言われた。ホワイトアスパラガスは、春の食材。まだ、外は寒くコートが離せないが、季節は変わっていた。
ジビエ料理はヨーロッパでは一般的だが、日本ではまだ馴染みが薄い。狩猟による鳥獣肉の料理をジビエといい、西洋人の食文化を何十世紀と支えてきた。パリのマルシェでは、うさぎや鴨が売られ、家庭でも料理されている。9月から冬の狩猟時期に食べる料理である。
疲れた時や寝る前にハーブティを飲むとほっとする。コーヒーやカフェインが強い紅茶、緑茶は眠れないことがあるが、ハーブティは落ち着きたい時には最適である。簡単にティーパックになったものもあるが、フレッシュのものはさらに香りがよく、リラックス効果が高い。デトックスの作用もある。
イタリアではスカンピ、フランスではラングスチーヌ、日本では手長海老といわれている。ヨーロッパではよく使われる食材だ。
蛤は日本を代表する貝である。縄文時代の貝塚からも発見されているし、万葉集にも詠われている。平安時代には宮廷や貴族の間に、貝あわせという遊びも残されている。そんな蛤が、フランス料理の温かいオードブルとして出てきた。
チョコレートのスポンジに生クリームを巻いただけのシンプルなロールケーキ。なんとも飾り気のないケーキである。スポンジはきめが細やかで、口に入れた瞬間のなめらかでふわっとした感触は忘れることができない。