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風に飛ばされそうな快感 1

[1] 北京オリンピック目前

富澤慎さん1 北京オリンピックでウインドサーフィン、(正式競技名称「セーリングRS:X級」)に出場します。8月10日が練習レースで、11日から20日までが競技です。 期間中に11レース行い、そのうち10回が予選レース。合計ポイントで着順が決まり、予選レースで10着までに入った選手が決勝レースに残れます。 風や波といった自然相手のスポーツなので、天候によってはレースができないこともあります。そういうこともあってレース期間が長いんです。

残念ながら、オリンピックにウインドサーフィンという種目が入っていることを、知らない人が多いですよね。オリンピックに種目として入ったのは、1984年のロサンゼルス・オリンピックから。 カテゴリーとしては、ヨット(セーリング)の部門に含まれています。オリンピックに出たいと思うようになったのは、2004年のアテネ・オリンピックの頃からです。 アテネの時、日本代表の最終選考の対象には入れませんでしたが、最終選考会になっているトルコでの世界選手権に出場することができました。 当時、ナショナルチームのメンバー5人の闘いを見て、すごく刺激を受けましたね。次は自分が行きたいと強く思うようになりました。

オリンピック出場が決まったのは、1月20日。もちろん嬉しかったですが、オリンピックに向けてどうしようか、どうやってトレーニングを進めていこうか、ということで頭がいっぱいになりました。 体力を中心に鍛えて、この期間は乗り込んで、この期間はレースをやって――といった感じで、大枠の予定を立てました。 天候に左右されるので、この日はこれ、この日はこれ、と細かくメニューを組み立てられませんから。

富澤慎さん2 オリンピックのレース会場の青島でも、何回か合宿をしました。実際にレースの場で練習を積むことは大事です。 地形が異なりますから、それぞれの海に特徴があり、風の入り方や波の入り方、潮の流れ方など、ぜんぜん違います。やはり同じ場所で長期間練習する必要があります。 青島は風が弱いという印象が強いですね。風が弱いと、体力をものすごく使うんです。自ら風を作るために、セイルをあおいで進んでいかなくてはいけませんから、あおぐための体力が必要。 それを織り込んで、体力づくりに重きを置きました。

中国は近いので、時差で苦しめられませんから身体は楽です。僕はピリピリする性格ではないので、レースを前にして緊張はしていません。 今は「イケ、イケ」という感じですから、その勢いに乗ってレースをしたいですね。日常のように落ち着いた気持ちでレースに臨めると思います。 負けず嫌いでマイペース。人からは「鈍感」だと言われることもありますが(笑)、そういう性格が、レースには向いていると思っています。とにかく「早く試したい」という気持ちですね。



プロフィール

富澤 慎(とみざわ まこと)
1984年、新潟県生まれ。セーリングRS:X級(ウインドサーフィン)選手。大学在学中の2003年、全日本学生選手権で、最年少優勝。翌2004年には世界学生選手権2位と華々しい成績を残している。 卒業後は、五輪出場経験者がいる関東自動車工業へ。2007年1月の世界選手権オーストラリア大会で優勝するなど、日本のトップ選手として活躍。ニュージーランドで行われた2008年セーリングRS:X級世界選手権大会にて日本人トップの成績を収め、北京オリンピックへの出場を決めた。今後の活躍が期待される。


撮影:安井敏雄(タイトル/インタビューカット)

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