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記憶に残るスケーターになりたい 4

努力は裏切らない

シーズンは10月から3月までです。シーズンが終わると、すぐに次のシーズンのための準備が始まります。最近はシーズン中、週に1日、お休みをとるようにしています。 やっぱり気分転換や休養も必要ですから。

中野友加里さん1 2007年〜2008年のシーズン、休日は大学の勉強にあけくれていましたが、卒論を終えてからは水族館に行ったり、お料理教室に通ったりしています。 料理が好きなんです。気分転換になるし、リラックスできますね。外食は、どんな食材を使っているかわからないので、 できるだけ自分で作って食べたいですね。体のことを考えて、和食がメインです。最近はちゃんと、昆布と鰹節から出汁をとることを覚えました。 料理もしたくない日には、ほとんどやりませんが(笑)、映画を見て気分転換します。最近一番気に入ったのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』でしょうか。

試合前にげん担ぎで食べるのは、から揚げ。昔、運動会や体育祭のときに、母が必ず作ってくれたんです。だから、から揚げを食べて臨むようにしています。 それができないときは、勝つためにカツサンド(笑)。試合前は、母が来てくれて、バランスを考えた料理を作ってくれます。

フィギュアスケートの場合、見た目も大事。先生からは、「太ってもいけないし、やせてもいけない。でも食べなくてはいけない」と、すごく難しいことを言われます(笑)。 練習で消費するカロリーが半端ではないので、食べないと倒れてしまいます。シーズンオフのほうが練習量が多いので、とくに夏はしっかり食べないといけません。

中野友加里さん2 競技を通じて学んだことは、「努力は裏切らない」ことです。練習は、必ず返ってきます。私は残念ながら、才能には恵まれていません。本当に普通です。 ひたすら、練習量だけでやってきました。家族の経済的なサポート、母の毎日の送り迎え、とても大変だったと思います。 今となっては、母のおかげでここまで来ることができたんだなと、つくづく思います。それから、長い時間を共に過ごすコーチがかけてくれた言葉とか――。 周りのサポートに、本当に感謝します。

コーチからは、「続けることに意義がある」「自分の限界は作らない。夢を見続けて」と言われます。続けるって、口で言うのは簡単ですが、実行するのは大変です。 私だって、さぼりたいときもあります。そういうときは自分で仕切りなおして、目標に向かって、向上心を持って取り組むようにしています。 まだまだ、やるべき課題はたくさんあります。ドーナツスピンを褒めてくださる方は多いのですが、コーチからは「その速さは見飽きた。もっと速く」 と言われます。ドーナツスピン以外にも、もっともっと得意な技が欲しいですね。

今、フィギュアスケートがすごく注目されています。これだけブームのなかで滑ることができて、嬉しいです。結果はもちろん大事ですが、一人でも多くの方に 「こういうスケーターがいたね」と記憶に残るスケーターになることが、今の願望です。




中野友加里(なかの ゆかり)
1985年、愛知県生まれ。日本を代表する女子フィギュアスケート選手。6歳でフィギュアスケートを始め、ジュニア時代から世界ジュニア選手権2位など、華々しい成績を残している。02年、シニアに移行し初の全日本予選で、伊藤みどり以来10年ぶり・史上3人目となる公式戦でのトリプルアクセル(3回転半)に成功。ドーナツスピンの美しさにも定評がある。
05年、NHK杯でGPシリーズ初制覇。06年、四大陸選手権2位、同年初出場の世界選手権にて5位と健闘。実力者として頭角を現し、世界的スケーターとなったことから『シンデレラガール』と称されるようになった。07年、冬季アジア大会優勝。全日本選手権にて3位を獲得し、08年3月世界選手権では今季自己ベストの演技で4位と健闘した。今後も活躍が期待される。


Photographs by 稲垣純也(タイトル/インタビューカット)




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