


ホテルの朝は鳥の声で始まった。朝もやの河口湖を眺めながらの食事はどんなにすがすがしいことだろう、そう思うと、居ても立ってもいられず、レストランへ向かった。「おはようございます」朝食のサービスをしてくれるのはセーラ。彼女もまた、イントネーションの違いを正す必要がないくらい、きれいな発音だった。「オムレツになさいますか、フライドエッグになさいますか」シェフがつくるオムレツに目がない私は即座にオムレツと、あのカリカリした舌触りを浮かべながらベーコンを頼んだ。 山々に霧がうっすらとかかり、スポットライトを浴びるように、湖には雲間からの朝日が差し込んでいる。時おりフォークをおいては湖を眺め、ゆっくりと時間をかけて食事と景色を楽しんだ。それにしても、このオムレツ、ケチャップをつけるなど野暮だと思うくらい、なんて美味しいんでしょう。 |

ディナーはあくまでも気分をフォーマルにショーアップして楽しむのがここでの流儀。だから服装は自由でも、必ず靴を着用する。できれば、いつもと違う雰囲気を味わいたい私は少しだけドレスアップして席についた。今日のメニューは、パンプキンスープと、魚はきすのポーピエッド、肉は子牛のソテー・ホルスタイン、リーフサラダとフランスパン、デザートに青りんごのケーキとフルーツ、そしてコーヒー。シェフいわく、最後のコーヒーが美味しいかどうかによって、料理の印象が決まる。だから、最後のコーヒーにいたるまで手は抜けないのだと…。 |
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湖畔の家々の灯りを眺めつつ部屋へ戻りかけると、真っ白のれんが目に飛び込んできた。あ、お鮨。明日の夕食にしようか、それとも、次に来るときのお楽しみにとっておくか…。「よろしければ、少しお部屋にお持ちしましょうか?」カウンターの奥から対象がにこにこと語りかけてくる。すでのお腹はいっぱいだが、どうやらこの誘惑には勝てそうもない。(写真右:寿司処かぶと) |