
春は目の覚めるような深緑の中に、赤いつつじが素朴な人間のまごころを思わせている。
夏になると、美ヶ原や鉢伏登山、避暑静養の客で静かな渓谷がしばしにぎわう。しかし、涼風のここちよき室々には、読書人の来り遊ぶのも少なくはない。
秋は満山の紅葉火のように燃えて、ボナールの絵のようにけんらんとはえている。私はまた冬の扉を愛する。読書にあきた炬燵の中で、なにげなく渓流の音に耳をかたむける。 遠くの方で多ぜいの人が、何かささやいているような、また歌っているような錯覚をおこすことがある。私は酒をたしなまないが
冬の扉温泉の炬燵の中で、気の合った友達がのみかわす酒の味は、かくべつであろう。扉は、額に汗して働く人々や、その家族のなごやかないこい、たのしいまどいの場所である。 温泉を絃歌のちまたとしか考えない人々には無縁の場所であろう。


こんなに山の中の宿をみつけてくださったことを、うれしく思います。
長野県松本市入山辺8967番地。
標高1050メートル
創業は1931年(昭和6年)6月1日。
1964年に周囲一帯が、八ヶ岳中信高原国定公園に指定されました。
ここより上流に民家は一軒もありません。
飲用水も穴口沢、ワサビ沢から汲み上げています。
料理の残りは生ゴミ処理機にかけ、肥料にします。
その肥料は明神館の畑で使っています。
料理に使う食材を、その肥料によってまた育てます。
自然にさからっても、うまくいかないものです。
この地で70年以上、宿を営んできて感じています。
虫が飛んでくることもあります。
山の中ですから、ゆるしてください。
苦手な方はフロントに連絡いただければ、すぐまいります。
創業以来、日本の最近70年の歴史を山の上で感じてきました。
高度成長期は、旅館は企業の慰安旅行に利用されることが多かったようです。
最近では、気の合う方といっしょに来てくださる方が増えました。
女性の方も増えました。
20年以上、毎年来てくださるお客様もいます。